ホームページの適正価格
はじめに
50万円、100万円のホームページは高いのか安いのかという議論が尽きないですね。
制作会社がボッタくっているのでしょうか。依頼者側がウェブの相場価格を知らないだけなのでしょうか。
今回はどのような基準を持っていれば高いか安いについて適切に判断できるようになるか解説します。
売り手と買い手で認識のずれる根本原因
50万円、100万円のホームページが高いか高くないかについては制作会社側の説明不足という点と、依頼者側が基準を持っていない点に原因があり、疑念が生じる面があると考えられます。
依頼者側は普段知らな世界なので相場を探っている面もある一方で、コピー機やパソコンのように形のある設備以外で50万円、100万円の設備投資をされない会社や部門の方にとっては、そんなにするの?という印象を持たれるかもしれません。
高いか安いかの判断の仕方
ホームページが高いか、安いかは結局のところ費用対効果で考えるしかありません。ここではその点について解説していきます。
費用対効果とはつまり、ホームページに100万円を投資した場合、リターンが上回っていることが重要と言うことです。
リターンとは、ホームページを作ることで増やした利益と減らした支出の両方の指標が必要です。
そこで100万円の予約機能付きホームページを例に高いか安いか考えてみます。
ここでは支出を減らす点のみに着目して進めて行きます。
このホームページを飲食店が検討されているとします。
条件は以下のようなものであったとします。
現在、予約は電話による対応を行っている
1日20件の予約がある
1件当たり5分要している
1か月の営業日は20日
これを5年(60か月)使用するとします。
100万円を60か月使用するので1か月あたりは
100万円 ÷ 60 = 16,666円
となります。
得られた利益か減らした支出がこれ以上であれば費用対効果があったと言えます。
それでは次に減らした支出を見ていきます。
1回5分の予約電話が1日に20件あり、1か月で20営業日なので予約に要した時間は
5分 x 20件/日 x 20日/月 = 2000分/月
です。
2000分 ÷ 60分 = 33.333時間
時給が1000円のバイトが対応すると仮定すると
33.333時間 x 1000円 = 33,333円
となります。この分をオンライン化することで削減できます。
なので、この例ではホームページとして投資した費用は16,666円です。それに対して削減できる費用は33,333円ですので、投資額より削減効果が上回っています。その点を踏まえると100万円のホームページであっても高くないということになります。
それどころか、30か月(2年半)で元が取れてしまいます。
このような考え方をご自身のビジネスに当てはめて考えれば良いのです。
1か月で16,666円円以上の売上げアップや出費削減が期待できますか?
チラシを印刷してアルバイトがそれを撒くときの費用と比べて
営業が個別のクライアントに対して紙の資料で説明するときの工数と比べて
ホームページがない時と比べて
以上は減らした支出について見たわけですが、本来であれば増やした収入も見る必要があります。
しかし、ショッピングサイト、ECサイト以外のケースではホームページがあることでどれだけ収入が増えたか測定することは難しく、また、商品、サービス、業種、競合などによっても異なりますので、ご自身の会社、店舗について当てはめてみてください。
仕入れ値8万円、売価10万円の商品がホームページ経由で売れたのならホームページがあることで20万円の利益が出たことになります。この商品を同じくホームページ経由で100万円÷2万円=50個売れれば、費用対効果があったことになります。
ホームページは単なるホームページではない
ところで支出を減らすといった場合、マンパワーでなんとかやり繰りしよう、解決しようと考えられる経営者さんも非常に多いです。
上に挙げた飲食店の例では電話予約の受付を継続するということです。
大きな金額が出ていくのを躊躇するのは分かります。
しかし、良い人材は良い労働環境、新しい取り組みをしている労働環境へ流れます。昔ながらの予約受付のやり方を続けていただのでは採用も難しくなりますし、採用してもすぐやめるなどが続き、今度は採用コストがかかるという悪循環になります。
つまり、ホームページは単なる電子版の会社案内や店舗案内ではなく、マーケティングツールであり、経営ツールです。使い方が営業活動にも採用活動にも関わってきます。
ホームページを活用した集客、人材募集は多くの会社、店舗の経営課題として取り組むべきと言えます。
すべてが費用対効果で割り切れるわけではない
また、ホームページはブランドイメージを伝えるものでもあるので、金額では割り切れない部分ももちろんあります。
販売実績は複数のチャネルの組み合わせの結果というケースもありますので、ホームページ単体では算出しきれない部分もあります。
しかし、ひとつの判断軸、基準を持っておくことで感覚的にではなく、定量的に高い、安いを判断できるようになります。
ホームページの重要度が高くないケースは?
ところで、中にはホームページへの依存度がそれほど高くないとか、時間をたくさん使って企画して制作したものと型にはめ込んで制作したものとで、効果がそれほど変わらない場合もあります。
もちろんこれは、ご自身のビジネス環境やホームページの活用状況によります。
良く調べたり、考えた上でどれくらいが適切か算出するなどしてご検討ください。
実際、私たちがこれまで見てきたお客さまの中にはアクセスアップの効果が期待できないので現状のホームページをそのままご利用いただくことをおすすめしたケースや新規でホームページ制作を考えておられるお客さまに足で稼ぐ営業をご提案したケースもございます。
ホームページ制作費のボトムラインは?
費用対効果が重要なのは分かるけど、それでも大きな金額を出すのは難しい、という方もいらっしゃるでしょう。そこで制作費の底値を考えてみます。
制作会社は打合せ、設計、制作の順にホームページ制作を進行します。お申し込みされた方との打合せをおこない、そこで得た情報を元に設計し、設計内容に沿って制作します。設計ではどのようなページが必要で、各ページに何の内容をどのような順番で配置するかといった検討を行います。設計が終わったらデザインを作成し、その後、ホームページを作り上げていくという順番で制作を進めます。
設計、デザインが完了するとクライアント様へ内容確認を依頼し、内容確認が完了したら次のステップへ進みます。ご依頼者から提供された画像に過不足がないか、テキストの内容は適切かチェックも行います。
このようなプロセスで制作は進行しますので、5ページから10ページくらいの規模であっても最低2週間程度は必要です。順調に進行してもこれくらいかかります。
大卒初任給が20数万円であることを考えると大卒新人が半月(=2週間)で制作した場合、人件費だけで10万円となります。10ページまでの規模のホームページを制作する場合、10万円がボトムラインとなります。大卒新人が制作した場合、この価格ですから、これより低価格を希望すると見た目か中身の質か、どちらか一方は素人目にも落ちることになります。また、全工程で2週間程度の制作期間と言うことは設計にそれほど時間がかけられないことでもあります。お問合せをもらいやすくするための設計はほとんどできません。
このことを踏まえてホームページのご予算の確保や制作会社と交渉するようにしましょう。
まとめ
この記事ではホームページの適正価格についてのひとつの考察をお話ししました。適正かどうかは費用対効果から算出するのが適切であり、それはご依頼者様の商品によって判断は変わる点についてご説明しました。ひとつの参考としてください。
多くのご依頼者様がホームページが高額であるとのご認識を持たれることを踏まえ、合同会社中丸屋ではご依頼者様の商品、サービスの利益率と、当社の価格との比較から決して高い買い物ではないことをご説明しています。
ほかの制作会社に聞いてもホントにそうなのかすっきりしない、モヤモヤしているという方いらっしゃいましたら、是非、ご相談ください。
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