ホームページ制作の相場価格
はじめに
ホームページ制作に100万円~200万円かける会社さんがある一方で、インターネットを徘徊していると10万円を切る価格で制作するホームページの制作会社も存在します。「ホームページ制作に高いとか安いとかの目安、あるのかな?」とか、「ホームページ制作の相場価格ってどれくらいだろう?」と思われている方もいらっしゃると思います。
そこでこの記事ではホームページ制作の相場感とクオリティについてご説明します。
ホームページ制作の相場価格の前提について
ホームページは自動車のように組み立てだけで何人もの人が関わるのではなく、数名から2桁に届かないくらいのメンバーで制作を進行します。イメージとしては美容院に近いかもしれません。そしてホームページ制作では商社やメーカーのような「仕入れ」はほとんどなく、価格の大部分が人件費です。そのため、何人がどれくらいの期間で制作に関わったかでおよその費用が決まります。
たとえば、時給2000円のスタッフ一人で1か月100時間稼働して3か月で制作したとなると
2000 x 100 x 3 = 600,000円
となり、60万円というのがこのケースにおける目安となります。
まず、様々な統計によると現在の大卒初任給の平均は約23万円という現実があります。単純化と理解の補助のため、(大卒1年目の)若手スタッフ、中堅スタッフ、ベテランスタッフが1か月稼働するとそれぞれ20万円、30万円、45万円かかることをベースに話を進めます。
20万円の価格帯のホームページの品質感
最初に20万円の価格帯のホームページについて見ていきます。
20万円の価格帯のホームページというのは、大卒1年目の制作会社の若手スタッフが1か月で作れるクオリティということになります。調査や設計にも十分に時間をとることはできず、クライアント様から言われたものを言われたまま作るだけとなります。また、価格と制作期間を考えると先輩スタッフによるデザインのレビューも簡単なものを1回受けるのが精一杯です。
仕上がりとして期待されるのは大卒1年目のエンジニアが設計、デザイン、実装、公開までを1か月で作り上げるようなクオリティです。
ただ、大卒1年目と言えど、一定水準のデザインスキルやコーディングスキルを身に着けた者が制作すれば出来上がったホームページを一般の人が見た場合には違和感なく受け入れられます。おそらく素人感を抱くことはないと思います。
大卒1年目の制作会社の若手スタッフが制作する以外のケースでは、依頼されたものを型にはめ込むだけの量産型のホームページが制作というのがあります。この場合、どこかで見たようなデザインのもの、多くの場合、5年くらい前によく採用されたデザインのホームページが仕上がります。量産型なのでPC、スマホで表示が崩れるようなことはほぼありません。クオリティとしてはそのようなものになります。
どちらのケースも短期間で制作することに変わりなく、競合に対するカウンタートークを提示するとか、ホームページ流入後のお問合せや商品購入に向かわせる動線設計は十分にはされていません。まさに名刺代わりのホームページと言うことになります。
ただ、いいホームページを作って集客したり、発信活動に時間やコストを使ったりするよりは、飲食なら食べログ、美容院ならホットペッパーなどのポータルサイトからの流入で集客される会社、店舗にとってはホームページにそれほどクオリティは求められませんのでこの価格帯で問題ありません。銀行の法人口座を開設する際や信用金庫から融資を受ける際に事業内容を説明するためだけに使うようなケースも同様です。
一方、これ以下の価格帯となりますと大卒の新人以下の制作スキルと言うことになります。その上、制作中に発生するリスクを助言したり、日程の維持、管理をサポートしたりするメンバーもなしで制作することになります。
そのため、日曜大工的に制作されたとの印象は持たれかねない見た目の仕上がりであることが予想されます。そのほか、納品後にPCまたはスマホで表示が崩れることに気づく、なんてことも発生するかもしれません。
そのことから考えると20万円以下の価格帯のホームページは低めの品質や日程遅延に対して許容できる方に向いていると言えます。
50万円クラスの価格帯のホームページ
次に50万円クラスのホームページについて見ていきます。
50万円の価格帯は大卒1年目の制作会社スタッフが2.5か月で制作するか、大卒1年目の制作会社スタッフがもう一人の中堅スタッフと組んで1.5~2か月で制作する規模やクオリティと言うことになります。
たとえば設計に0.5か月、デザイン、実装にそれぞれ1か月かけて制作するイメージです。
デザインに1か月かけることができますので、理想に近いデザインのホームページを手にすることができます。
ただ、中堅スタッフが入っても事前調査などに十分な時間を費やすのは難しく、つまり、競合に対するカウンター施策を打ち出すのは難しいといえます。中堅スタッフはクライアント様とのやり取りや制作の日程管理、ホームページとしての品質チェックを任されるにとどまります。
よってこの価格帯は型にはめ込んだ量産型のものや素人感のあるホームページからは脱することはできますが、お客さまから選ばれる、という点では少し物足りないかもしれません。自社の強みやライバル企業に対するカウンター施策を制作会社に伝えることができるクライアント様であれば、ある程度の品質のホームページが仕上がります。
100万円クラスの価格帯のホームページ
今度は100万円クラスのホームページについて見ていきます。
100万円の価格帯では中堅スタッフが2か月かけて企画、調査、設計し、若手スタッフが1.5か月かけて制作するというようなイメージとなります。
中堅スタッフが2か月稼働するので
30万円 x 2か月 = 60万円
新人スタッフが1.5か月稼働するので、
20万円 x 1.5か月 = 30万円
で制作費は90万円となります。
企画、調査、設計に2か月かけられるのであれば競合に対するカウンター施策や購入までの導線設計も可能となります。企画、調査を短縮し、その分をデザイン設計に時間を割り振るような制作パターンもあります。
どちらの場合も制作期間は3~4か月、実期間は5か月くらいとなります。
ほぼ希望どおりのデザインのホームページを手に入れることができます。また、導線設計もされていますので、公開後にマーケティング施策を展開した場合にも期待した効果が発揮しやすいと言えます。
150万円クラスの価格帯のホームページ
最後に150万円クラスのホームページについて見ていきます。
150万円の価格帯ではベテランスタッフが2か月かけて企画、調査、設計し、その後工程で中堅スタッフが1か月かけて制作するというようなイメージとなります。
ベテランスタッフが2か月稼働するので
45万円 x 2か月 = 90万円
新人スタッフが1か月稼働するので、
20万円 x 2か月 = 40万円
複数メンバーによるレビュー費を20万円とすると、
で制作費は90万円 + 40万円 + 20万円 = 150万円となります。
企画、調査、設計では制作会社でも社内レビューを行い、それをクライアント様に提案できるため、ホームページへの流入後の導線設計が練られたものになっているなど、公開後の成果も期待できる水準となります。
成果物の質も高く、クライアント様も満足度高いものがご提供可能となるのがこの価格帯となります。
このケースでは制作期間は4か月、実工数は5-6か月くらいとなります。
以上、見てきたように50万円以下の価格帯のホームページは名刺代わりのものとなります。公開後の成果を得るには、クライアント様から制作会社への要求の伝え方に高い水準が求められます。
100万円付近の価格帯のホームページでようやく公開後の成果がギリギリ期待できるホームページが提供可能となり、150万円の価格帯になるとその水準が高まります。
間接費を入れるとさらに嵩増しされる
ところで、ここまで述べてきたことを混ぜ返すようですが、上記の価格には営業費用や間接費用は含まれません。家賃などの固定費も含まれていません。これが含まれると上でご説明した価格からさらに40%~50%ほど上乗せされます。
50万円、100万円、150万円の価格はそれぞれ70万円、140万円、210万円円程度になります。つまり、ある程度のデザイン性を求めるのであれば70万円と言うのがボトムラインと言えます。
まとめ
以上は価格帯と納品物の品質のイメージをお伝えするのを主眼に記述しました。そのため、ページ数などを無視し、かなり粗い計算により算出したものとなっていますのでご承知おきください。
制作会社によってはチラシや保守、マーケティング施策での売り上げの上積みを考慮してホームページ制作の価格の設定されているところもありますので一概にホームページ制作単体で比較するのは粗雑ではあります。しかし、およその傾向はこれでご理解いただけたかと思います。
制作会社選びのご参考にしていただければと思います。
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